新人看護師よ!『がんばる!』を間違えるな!

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新人看護師
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この病棟に来てから3月で看護師教育に携わって2年になる まめなす です。

新人教育担当したのはトータルで5年です。

新人看護師のことなら、任してください!と、まーまー?自信をもって言えます。

はじめに

 

今回は、公立病院や比較的大きな急性期病院に就職が決まった看護学生に向けて書いています。

こんなはずじゃなかった・・・

マジで???なにこれ?もう嫌だ〜〜〜〜!とならないよう、

前もって覚悟を決めて置いて欲しい、そして、入職仕立ては力が入りすぎて体調を崩しがちなので、

初めの関門である新人オリエンテーションを上手に力を抜いて生き延びて欲しいと思います。

 

新人教育は看護師教育の中でも特別だと思います。

いろんな病棟でも教育に携わりましたが、看護教育全体的に、方針が時代と共にアップデート

しているのをひしひしと感じます。

 

年があけ、2月に年間目標の評価が終わる頃、

そろそろ新人オリエンテーション研修についての企画に取り組む時期となります。

 

看護学校での勉強も辛いですが、実習はもっと辛い、そして、何より国家試験を合格し、

新人ナースとして働きだすわけですが、その新人看護師の1年が一番ツライと思います。

はい、間違いありません。

とにかく、看護師になるのも辛けりゃ、なってからも辛いです。

それに代わる、喜びややり甲斐、使命感、達成感はありますけどね。

 

看護師1年目は看護師人生で一番重要で大切な一年と言っても過言ではありません。

新人1年でのあり方がそれ以降の看護師としてのあり方が決まります。

 

看護師のはじまりはじまり〜〜〜

 

具体的に新人看護師の始まりからいきましょ〜〜〜〜

4月の平和なのは入社式当日1日のみだけと言っても過言ではありません。

とにかく、初めてのことが毎日、怒涛のように押し寄せてきます。

社会人としても、看護師としても、まめなすの病院は公立なので公務員としても、

新人なのですから、当たり前ですね。

もう、誰しも通る道なので、覚悟、決めてくださいね〜〜〜〜

 

例えば、入社してから新人オリエンテーションが行われますが、

座学から演習から、まー毎日毎日怒涛のような濃厚な研修内容。

とにかく現場で通用するよう知識・技術を、控えめに言ってもナイアガラの滝?のように詰め込まれるわけです。

 

考えてみてください。

看護師といえば、例えば採血。

どんなことをするか、見たことも聞いたこともない人はいないはず。

そう、人に針を刺すんですよ!当たり前ですが。

昔は先輩の腕や同僚の腕を使って練習させてくれたりしましたが、今は、させてもらえません。

まずは人形で練習です。

これがなかなかのリアルな金額のお高い高級人形です。

新人研修には、病院をあげての時間とお金がかかっています。

あとは、入社後の検診という医師の指示のもと、新人同士で生身の人間に針を刺して、採血します。

 

まー、何というか・・・指導するこちら側が倒れそうなくらい、新人はど緊張しています。

手がぶるぶる震え、顔色は悪く、顔はもちろん強ばり・・・・

それは、患者役も同じですが。

慣れない連日の研修による疲労と体調不良で倒れる人もいます。

 

落ち込む必要全くなし!

しかーーーーーーしっ!新人ナースよ!一つだけ言っておく!

採血なんて、これから始まる看護師人生、あほみたいに何千回、何毎回と

せなあかん事なのでその時にできないからといって、落ち込む必要は全くなし。

それは、採血だけじゃなく、研修で習うことはほぼ毎日すること。

配属先が外科系なのか内科系なのか分からないけど、看護技術として、

絶対必要なことをピックアップして研修に盛り込んでいるから。

 

毎日、しっかり睡眠をとって、健康な体で出勤していたら、知識や技術、コツなんて必ず身に付きます。

看護師は看護師の仕事しか現場でしないから!

 

当たり前のことだけど、看護師に「家を建てろ」とか「道路をなおせ」とか言われないです。

毎日、看護師の仕事をするだけです。

担当する患者が変わったり、疾患、治療方針、内服・・・

いろいろなことを一度に考えなければなりませんが、毎日仕事に来ていたら勝手に経験値は増えます。

後追いでもいいので、全部じゃなくてもいいので、とにかく学び続けることが大事です。

そうしていると、優先順位やら、リスクやらだんだん理解できます。

そして、学生じゃないので、わからん事はわからん!と堂々と発言してください。

 

「わからない」と言っていい

「わからん」と先輩には言いにくいとは思いますが、頭にはてながいっぱい、という事を伝えてください。

悪いことではありません。仕事ですからね。

指導する先輩たちも、仕事仲間として、指導してくれるので、学生の時みたいにビビる必要は全くなく、

正直にアサーティブに「わからない」と言っていいんですよ。

 

わからないことを黙ってるのが一番怖いですから。

先輩看護師が一番怖いのは、新人が何を考えているのかわからないことです。

普通の人間でもわからないことに対しては不安や恐怖を感じるのと同じです。

例えば「死」とか「死後の世界」とかね。

 

先輩を味方につけろ

 

話はそれましたが、心に思っていることを口に出して伝えてください。

そうすることで先輩にも安心感を与えてください。これ、大事なポイントです。

先輩たちは何人も新人ナースを指導してきています。

いろんな人間、いろんな看護師、いろんな新人がいて当たり前です。

新人のことをどんな人間なのか知りたいのです。

早くアウェイ感を脱したいのなら、自分がどんな人間なのか、周りの先輩に開示することです。

 

新人の時は、良くも悪くも全スタッフから注目されています。

あいさつの声が小さいね、とか、言葉遣いがどうこう、こんな事してたよ、とか、

もう、本当にうんざりするほどです。

 

また、自分はそんな気がなくても、色々と誤解されたりします。

新人の間は、特にマイナスな方に捉えられる傾向が強いです。

これは看護師だけではないです。

 

人間は足りないところが目に付くようにできています。

なので、今の新人教育は「褒めて育てよ」という事が言われています。

新人は基本的に何もできません。できているのか、できていないのかもわかりません。

だから、出来ている事できない事がわからないと、成長をお互い感じることが出来ませんよね。

 

配属先の病棟の実際

病棟全体として、新人看護師のかかわり方を説明しておきます。

意外と、新人看護師は知らないんですよね。

新人は病棟配属されると、毎日、出勤するだけで精一杯で、疲れてるけど必死すぎな状況ですからね。

全体研修が終わったら、配属先がわかって、ホッとするまもなく、

今度は各病棟ごとにオリエンテーションです。

 

まず、先輩ナースというか、初めましての人たちの中にいるだけで、疲れます。

その上、看護師以外の人、新しいもの、物の位置、病棟の配置・設備、院内の配置・・・

業務以外に覚えること半端ないです。

新人の間は課題も研修も多いです。

 

とても楽しさを見出せる感じではなく、

いわゆるリアリティショックを受ける新人さんも少なからず。

 

味方の先輩を探す

 

必ず、各病棟に新人教育担当がいます。

それが私なのですが、私は教育に携わるものなので、新人看護師に自分の位置づけを説明します。

「私は新人看護越しの教育係りです。プリセプター(新人の教育係り)と新人さんを支援する役割なので、

困った事があれば、私もあなた方の話を聞きます。そして、あなた方の不利になるようなことは一切しない、

あなた方の味方である」という事を強くお伝えします。

ま~、そうはいっても、新人が先輩に自分から

「困ってることがあります」

なんてことはなかなか言ってこないので、こちらから「最近どんな感じ?」とか時間的に

余裕のある休憩時間とか、仕事が終わったときとかに聞くようにしています。

「何もない」となっても、終わりではなく、「この前の○○大変だった?」とか、「ストレス解消法なに?」とか、「夜は寝てる?」とか・・・

まー話しやすいような話題を振りつつ、目や表情をみたりしています。

いうても、観察のプロ=看護師なので、患者の観察ばかりをしている訳ではありません。

 

そんな先輩が新人教育の役割としていますので、プリセプターだけでなく、先輩方も活用しましょう。

あと、チーフ(看護師長補佐)とかチームリーダー・サブリーダーというのがおりますので、

プリセプターだけでなくその方たちも活用したらいいと思います。

言わば、病棟の問題解決という役割を担っている方々なので。

相談とか困りごとはプリセプターだけに言う必要はありません。

内容によってはプリセプターに言いにくいこともあるかもしれません。

相談したいときにプリセプターと勤務の関係で会えないかもしません。

信頼できる先輩を見極めることが出来たら、その人に相談してもいいかも、です。

仕事柄、看護師は頼られるとそれに答えたい習性の人が多いです。

病棟での先輩の役割を理解するのもうまく立ち回る方法の助けになると思いますよ。

 

さいごに

 

先にもお伝えしましたが、一年目に習得したことはこれからの看護師人生の軸となるところです。

厳しいですが、いい加減なことをしていると、その後は一生それなりの看護師となります。

これからのハッピーな看護師ライフのために1年間はしっかりと学んで最強の看護師になってください。

しんどいな・・・と思ったら、未来の最強の看護師をイメージしてください。

しんどいことをくぐり抜けた分だけ、看護師の筋肉として残っていきます。

今はそのための試練です。

しんどいけど何だかだのしい!と思えた新人のあなたは、勝ちです!

最強の看護師になれます!

そんな風に考えられると、気持ちが楽になります。

良い感じに力も抜けて、先輩や患者の周りを余裕をもって見渡せるようになると思います。

初めはできなくて落ち込むことばかりだと思います。

でも、よく考えてください。

私たちが10年20年積み上げてできてきた事が、新人に簡単に出来るわけがないのです。

できなくていいんです。できなくて当たり前なんです。

その当たり前を踏まえて、どう向き合うかが大切です。

わからない事だらけだと思いますが、毎日、一つでもいいので何か学んでください。

焦らなくても、毎日、休まず仕事に来ていたらそれだけで、その気があれば積み上がっていきますから。

最初の新人同士の差にも、悩んだり惑わされたりしないでください。

5年先、10年先の自分を見てください。

どうなるかは、今の向き合い方で決まります。数ヶ月の差なんて大した差ではありません。

遅くてもいいです。丁寧に一つずつ、一緒に学んでいきましょう。

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